Linernotes

    漆黒の闇に身をまかせ満天の星に包まれたときの、魂をゆさぶられる感覚。あえて言葉に してみるならば、
    それは、大地に立つ自らの存在の不思議と、隣人の手のぬくもりのあり がたさと切なさなのかもしれない。
    小さな点でしかない星の光は、気の遠くなるような長 い旅の果てに広大な宇宙の存在を教える。
    そのことを、人々はずっと昔から知識としてで はなく、肌感覚として気づいていたのだろうと思う。

    2006年2月、初めて会った清田愛未に、寮美千子の絵本「遠くをみたい」を手渡した。
    ペ ージを開くやいなや、彼女の目からこぼれ落ちた涙は、やがて宙で結晶化して星となり、星座をつくりはじめた。
    それがこの宝石のようなアルバムとなった。
    未来への希望、自 己の開放感、出逢いの喜び、あるいは、存在の哀しみ・・・
    一曲一曲が私たちに残してい くものは、聴く人の心の数だけ多様でありながら、
    それを超えるある一つの共通の想いも 産み出す。
    何故なら、このアルバムを聴くことは、星を見上げることに似て、自分の内なる宇宙を見 つめ、
    私たちの肌に刻まれた遠い記憶を想い出すことだから。
    清田愛未のつなぐ星座は、 時空を超えて人々の心の中に響き、輝き続けることだろう。

    高橋真理子(山梨県立科学館学芸員)




    清田愛未による『星の歌集』全曲解説 


    1.星空のカノン 〜FM-FUJI『ライトダウン甲府バレー』CM使用曲〜
    作詞・作曲・編曲 清田愛未
     色々なところで星の歌を歌わせて頂く機会があるのですが、初めて聴いて頂くお客様にも親しみをもって聴いて頂ければ…という 想いから、誰もが知っている「パッヘルベルのカノン」のモチーフを使った 星の歌を作りました。
     「真昼の星には誰もが気づかない真夜中と同じ本当は、そこにあるのに」いつでも星は私達を見守ってくれている…孤独を感じてしまった時も、いつもで星はそこにあって、見てくれている、そんな想いを込めました。



    2.約束の星
    作詞・作曲・編曲 清田愛未
     
    大事な家族、愛猫ハルちゃんのために作った曲です。とっても家族思いで、すごく人見知り。白くてふわふわしていたハルちゃん。最後まで、家族に心配をかけないように…本当に、そんなやさしい子でした。ハルちゃんが眠る横で、ハルちゃんのために書いた曲です。この曲を歌うたびに、ハルちゃんの事を思い出せます。あんなに悲しかった気持ちが、今ではありがとうに変わりました。楽曲ですが、前半のオルゴールは手回しの生録音なんです。山梨の萌木の村にあるオルゴール博物館「ホールオブホールズ」様にお借りしている「オルガニート」を使用しています。オルガニートの制作者は原田敬さんです。



    3.moon
    作詞 清田愛未 / 作曲・編曲 すさきふみお
     月の引力で地球の海面が変化する…そんな話を聞いてから、空に浮かぶ月が少しだけ身近に感じられるようになりました。作曲と編曲は、学生時代からお世話になっている先輩のすさきくんです。私の作る音の世界とは全然違うので、すごく面白かったです。陶芸家の佐藤百合子さんに作って頂いた、月の模擬砂を配合した「月のオカリナ」の音色も入っています。
    ※月のオカリナは、陶芸家佐藤百合子さんの協力のもと製作されたオリジナルのオカリナです。アメリカジョンソン宇宙センターから輸入した月の模擬砂を使用して製作されております。



    4.はやぶさ2010
    作詞 寮美千子 / 作曲・編曲 清田愛未
     はやぶさの帰還は日本中で涙で迎えられました。私もあの瞬間、インターネットのライブで見つめていました。何だかもう、涙が止まりませんでした。そして、日本の宇宙技術にも大変感動致しました。この歌は、作家の寮美千子さんに、作詞をお願いいたしました。はやぶさのミッションそのものが、歌になっています。



    5.七夕
    作詞・作曲 清田愛未 / 編曲 すさきふみお
     山梨県立科学館の七夕コンサートに向けてのミーティング中、アジアの「七夕伝説」を色々教えていただきました。その中でとても気になったものを歌にしました。おとぎばなしを聴いているイメージで、歌詞と音楽を楽しんで頂けましたら嬉しいです。



    6.星霜 〜プラネタリウム番組『星月夜〜めぐる大地のうた』主題歌〜
    作詞・作曲・編曲 清田愛未
     山梨県立科学館の高橋真理子さんから色々なインスピレーションを頂いて、それを紡いでいったら「星霜」という歌になりました。ライブのときにいつもお話していることを、ここにも書きたいと思います。【星は1年経つと必ず同じ場所に戻ってきて、私達に季節の廻りを教えてくれます。霜は冬になると降りて、私達に冬の訪れを教えてくれます。私達は、人間が作った数字の「時間」に縛られて生きて来た訳ではなくて、こういった自然の「廻り」の中で時を感じ、生きて来たそうです。そんな廻る廻る時間の中で出会えたことに感謝しながら歌います】



    7.Planet Earth 2nd
    作詞・作曲・編曲 清田愛未
     曲を作るときは、ピアノの前に座って一生懸命作ることが多いのですが、この曲だけは、お買い物(おでんの具用のたまごを買いに…)に行く途中でふとメロディと歌詞が浮かんできました。大地がくれた歌、まさに!!プラネットアースですね!!(そんなばかな…)楽しく手拍子をして頂きながら歌う曲です。ライブではアンコール用!



    8.わたしの耳は貝の殻ー野辺山電波望遠鏡によせて
    作詞 寮美千子 / 作曲 清田愛未 / 編曲 福井健一郎
     国立天文台野辺山特別公開2010で歌わせて頂く事になり、その際、寮美千子さんが歌詞を書いてくださいました。本当に、美しい歌詞です。アレンジは福井健一郎先生。やわらかくて、やさしい、そして広い世界を音で表現して下さいました。